教育者としての国内最高位の書道の資格を持ち、多数の生徒を受賞に
導いた講師が、経験に基づく的確でわかりやすい指導をいたします。
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書の部屋®ホームページに足を運んでいただきありがとうございます。
代表の書家・書道家小山瑞恵です。
私の「書への想い」を書いていくうちに長文となってしまいました。お時間がありましたらお読みいただけたら嬉しいです。
幼少の頃、家にあった水書きシートに、文字を書くのがとても好きで書いて遊んでいたことを今でも覚えています。
書道が好きな母の影響で、私も幼い頃から自然と筆を持つようになりました。
私にとって最初の大きな「転機」
私は幼少期から小児喘息がひどく、入退院を頻繁に繰り返して学校を休むことが多かった小・中学生時代。
周りのみんなは普通に元気に毎日学校に行けるのに私だけ行けない辛さと、面会時間も当時1日2時間に限られて、家族にも限られた時間しか会えない寂しさと孤独に耐えていました。
入院中でも筆で書いて遊ぶことが好きで、毎日それが唯一の楽しむことでした。
小学校2年生の時には2学期全ての4か月間入院し、その間、院内学級(長期入院の子供たちが学校の授業のかわりに学ぶ場所)に転校しました。
その院内学級で初めて県書道連盟書き初め展を知り出品し、特選をいただくことができました。
特選に選ばれると、本来は本選の席書大会に出場できるのですが、入院中により私は残念ながら参加できませんでした.
そのかわりに、退院後に別の書き初め大会に参加でき、そこで私の書き初めを書く姿が静岡新聞に偶然大きく掲載されたのです。
それがとても嬉しく、思えばその頃から私の「書道人生」は始まっていたのかもしれません。
これが私にとっての最初の大きな「転機」になりました。
「練習」の大切さを伝えるきっかけになったコンクール上位入賞
その後、書道を習いたくて近くの書道教室に通い始めました。
書道だったら体を動かさなくても座ってできることから、私に「ぴったり」と思っていました。(当時は今盛んな、書道パフォーマンスはなく、座って書くのが書道と思っていました。)
家では両親からも教わりながら、毎年冬休みには書き初め大会に向けて100枚位練習した成果もあり、書き初めや学校の書写コンクールで上位の賞を受賞することができました。
それが自信となり、ますます書道が好きになっていきました。
そして、その時の「練習」が指導している生徒たちへ「練習する大切さ」を伝えるきっかけになっています。
書道はずっと続けていくだろうと、小学生の時から漠然と感じていました。
また小学5.6年生になると、入院中の時に同じく学校に行けなくて寂しい思いをしている年下の子数人に何かできないかと思い、私が先生役で学校ごっこをして勉強を教えていました。
私も学校に行っている気分を味わいたかったのです。
普通に学校へ行けることへの憧れがとても強く、先生として教える楽しさを知ったのがこの時です。
小学生の時には、まさか自分が将来「先生になって学校で教える」とは全く思っていなかったので、振り返ると、子ども時代に先生になるための練習をしていたかのようで不思議です。
入院生活を繰り返し、「なぜ私だけ学校に普通に行けないのか」と、学校に行けるみんながうらやましく、とても憧れを感じていた子ども時代。
せっかく学校に行けても、体育も遠足など行事もみんなと同じように参加できず、仕方がないと言い聞かせながらも、常に一人孤独を感じていました。
「私はみんなと違うんだ」これを身に染みて実感した学生生活でした。
そんな中、書道コンクールで度々上位受賞でき、これが私自身の救いと自信となり、書道が私の子ども時代を支えてくれました。
人の心を動かす書道のすごさを感じた中学時代
中学時代は、夏休みの自由研究では2年生で『漢字の成り立ち』、3年生では『仮名の成り立ち』についてを題材に研究。
文字の成り立ちについて興味を持ったのがこの頃です。当時の自由研究が将来の書道史勉強の先取りだったと、後で気がつきました。
中学3年生の時には担任の先生に毎日、日記を提出するのが宿題でした。毎日発行される学級通信に、その日に選ばれた日記が毎日掲載され、一緒に相田みつをさんの書も度々掲載されていたのです。
毎日気づいたり感じたことを日記に書くことをして、また相田みつをさんの書から、想いを伝えたり、人の心を動かす書道のすごさを感じる学生時代でした。
また頻繁に学校を休んでいたので、学校生活全般や勉強を追いついていきたいと人一倍努力し、私の日記が度々同級生の影響を与えたことや、通院しながら学校の勉強を頑張ったことによる結果、卒業時に「学校賞」をいただきました。
この高校時代が、さらなる大きな転機に
高校は、とても尊敬していた方から静岡城北高校を勧められて進学。
これが、のちの私の人生の大きな道しるべとなりました。
なぜ、私に静岡城北高校を勧めてくださったのか、書道部に入部してわかりました。
書道の伝統校で、当時指導してくださっていた顧問の先生のご指導のおかげで、書道部がとても活発で実績も多い学校だったのです。
この高校時代がさらなる大きな転機になりました。
展示されている先輩たちの作品にとても憧れ、「私もこんなふうに書けるようになりたい」と強く思い、それが私にとっての、「芸術書道」との出会いになりました。
今まで私の思っていた書道のイメージとは異なり、夏休みの部活錬成会では一日中立ちながら床に大きな全紙を敷いて、一人100枚以上、展覧会に向けて大字作品制作をする創作活動に取り組んだことで、書道の世界が広がりました。精神力と体力をとても使い、手足を真っ黒にして、暑くエアコンがない中、紙が飛ばないように窓を閉めきって(今は換気しています)朝から夕方までひたすら書いた錬成会はこれからもこの先も忘れることはないでしょう。
また高校3年間、平日毎日部活があり、中国や日本の古典をお手本に真似して書く「臨書」で、様々な書を学び、多くの展覧会にも出品しました。
書の甲子園と呼ばれる「国際高校生選抜書展」で上位の優秀賞を受賞し、大阪で表彰を受けるなど、多くの作品が受賞できました。
高校3年生では部長を務め、3年間の集大成とし部活を頑張り書道の魅力にどんどんはまっていきました。
全国高文祭発足会で、静岡県の代表で大会テーマを揮毫させていただく機会にも恵まれたり、また展覧会で多くの賞を受賞することができたりと、そこでさらに自信がつき、書道部で学んだこと、教わったことが私の宝物となりました。
恩師から教わったこと、仲間と楽しく活動したこと、多くの展覧会で受賞した実績、その一つ一つが私の自信と励みと、原動力になっています。
高校教員になっていつか母校で書道を教えたいという想いが強くなりました。
同じ目的を持つ仲間から多くの刺激をもらえた大学生活
そして書道部顧問の先生の勧めで、書道の教員を多く輩出している大東文化大学への進学。4年間で専門性を追求し、書道の技術のみならず書道史・書道教育等多くを学びました。
同じ目的を持つ仲間から多くの刺激をもらえたのも、大学生活の思い出として強く残っています。
大学卒業時には喘息発作がほとんど起きなくなりました。
大学時代に健康になるようにさまざまな実践、努力をして改善でき、おかげで後に高校で勤務することができるようになりました。
多くの方の支えと励ましのおかげであり、そのことにもとても感謝しています。
大学卒業後には高校の書道教員になりたいと思ったものの、地元静岡県では書道の採用募集が何年も実施されておりませんでした。
そのため卒業後、高校で常勤講師・非常勤講師として勤めることになりました。
「学校に行きたくても行けない」辛い思いをしたことから、「学校への憧れ」が強かったため、社会人になってから講師として学校に行けることが何より嬉しいことでした。
今まで学校に行けなかった子ども時代分もこれで取り戻せるかな?と思いました。
その後、6校(川根高校・島田工業高校・浜松東高校・静岡西高校・藤枝学院(私立)・袋井商業高校)の勤務を経て、念願の母校である2008年に静岡城北高校の講師となり、書道部を指導することになったのです!!
楽しみにしていた母校での書道部指導はなぜか苦悩から始まりました。
部員が1年~3年まで9人に激減していて、私の高校時代の雰囲気とがらりと変わっていたのです。
ここから部員を増やすにはどうしたらいいか、考えては実践の日々が始まり、書道部を盛り上げようと全力を注ぎました。
「書道パフォーマンス」がブームになり始めた時には、生徒の希望で積極的に取り入れようとするも、これは書道の本質とは違う!と強く反対されたこともあり、試行錯誤していました。
今でこそ書道パフォーマンスが当たり前になりましたが、当時はそのように思っていた方も多かったかもしれません。生徒達はパフォーマンスをやりたがっているため、どうしたらいいかととても悩みました。
部活では私の姿で生徒達を導けるようになりたいと、切磋琢磨し、熱意を持って指導にあたりました。部員のパワーは年々高まり、全国的にも多くの実績を残し、率先して練習に励み、意欲にあふれる書道部へと成長しました。
そして、数年かけて顧問の先生が私の熱意を認めてくださり「書道部を私にまかせた」と言ってもらえるようになり、様々な努力の結果、過去最高50人の部員が集うようになりました。
人の心を動かす書、書道の力について学んだ体験
書の甲子園と呼ばれる[国際高校生選抜書展]では、中部北陸地区で団体準優勝にもなり、一部の部員を連れて大阪に表彰式に行くまでに成長しました。
書道部の指導がほとんどボランティアのようなもののため、生徒達の活動意欲が高まると、部活指導の時間もさらに増え、やりがいを感じると同時に、他の仕事や日常生活との時間のやりくりにも苦労してきましたが、何より、生徒達の活躍が私自身の喜び、楽しさ、達成感にもつながっています。
「書の可能性」を部訓に掲げ、多くの活動をしてきました。
東日本大震災の後に、当時の部員達の発案で、東北三県に大きな布に復興メッセージを書いて贈った活動をし、被災地の多くの方の反響があり、多くのメディアに取り上げられました。東北地方の高校生や一般の方からお手紙やお礼までいただき、わざわざ学校までお越しいただいた方もいて、生徒達自身が人のために書を書くことで、人の心を動かす書、書道の力について学んだ体験となりました。
書道パフォーマンス指導にも力を入れ、各地のイベントからご招待いただくようになりました。
また、静岡県で開催の大会でついに優勝することもできました。
非常勤講師をしながら、2011年6月に書道教室・筆文字デザイン制作・筆耕「書の部屋®」を開業しました。現在は書道教室運営の他に、筆文字デザイン制作依頼を受けて、ロゴやパッケージやポスターなどの筆文字制作、オリジナル作品制作、また宛名書・賞状書などの筆耕の仕事もお受けしています。
本当は高校の正教員を目指していましたが、当時、静岡県高校教員の書道枠で採用の募集が10年以上なく、書道教員にはなれなかった現実。
何年も募集がされないことに途方に暮れ、また進学化に伴い母校の芸術の授業数が減って、このまま授業が減り続けてしまうのではないかという不安を感じ、書道の魅力を伝えるにはどうしたらいいかと考えた時に、学校現場だけでなく広範囲に地道に広げる必要性を感じました。
さらに、書道の活動で筆文字デザイン制作や筆耕を通して、筆でしか伝わらない人の心を伝えていきたいと思いました。
また、将来書道を生かせる職業がないとなかなかその道に進もうとする生徒も増えないので、まず私から動いて書道の色々な仕事をすることで、書道の大学に行きたくても書道の仕事がないからと断念する生徒を減らしたいと考えました。(2010年頃、今のようにネットで書道を発信している人はかなり少なかった時代の話です)
書道教室では、高校生に限らず、幼児・小学生・中学生、大人の方も様々な年代の方にご指導をさせていただくようになりました。
幅広い方々に書道の大切さ、書道の楽しさ、魅力を伝えられるようになり、生徒数が次第に増えて、2017年には教室を拡大移転させていただきました。
私自身も子供時代を振り返って感じますが、小さい頃に習ったことは本当に基盤になります。
書写の基礎は小・中学生で培われ、学校の授業でノートに書く量も学年が上がるとともに増えるので、より一層書くことが大事になってきます。
手書きの行為や、きれいな字で書くことが学習能力を養い、書写は実用性においても必須です。
書道の楽しさを伝えたい。
書道を通して、自信をつけ、生徒の喜ぶ笑顔が見たい。
書道が好きで楽しいと思う生徒を増やしたい。
書道を通して心を豊かにして、成長の手助けをしたい。
そういった想いを持って日々書道指導を行っています。
よく、字がうまくなりたいという生徒がいます。
字がうまくなりたいという向上心はとても大切なこと。
そのためにはどうすればいいか、私は「書くことを楽しむこと」だと思っています。
書くことが楽しい、筆を持つことが楽しくなれば、自然と練習するようになり、字がうまくなるからますます練習する。
すると、展覧会で賞がもらえるから、ますます嬉しくなって練習する。
そして、どんどん自分に自信がついてますます楽しくなってくる。
それぞれの良さを引き出して、「自信につなげていくのが書である」と思います。
現代では、パソコンや携帯電話の進化や普及によって、ペンで書くことも少ないのに、ましてや筆を使うことは、本当に少なくなってしまいました。
しかし今こそ書写や書道の魅力を見直す時期だと感じています。
大人の生徒さん達からも口々に、「習ってみて書道の奥深さを体感できた」「手書きはいいですね!」などお声をいただきます。
「書の可能性」これは私自身のテーマでもあります。
書は人の心に訴えられる無限の可能性を秘めていて、奇跡を起こすこともあります。
ある高校で教えていた時の生徒が悩み事があって、体育を見学しなくてはいけなくなるほど、体が痩せてしまった状態の時には、「何とか解決の道がないか」と繰り返し相談にのりました。
その生徒のために作品を書いたことがあります。
生徒の悩みを解決に導いた一枚の作品が、私の初個展のタイトルとなりました。
その後、生徒の悩みは解決の方向に進むようになりました。
人のためのみならず私自身も、私の作品に励まされたり、癒されています。
復興メッセージの時にも感じましたが、やはり書の力は想像以上に強いものであると実感しました。
書が人の心に訴え、変化をもたらすことを願い、筆文字デザインなどの制作活動もしています。
私が制作する作品には、技術的な工夫はもちろん、想いとエネルギーが詰まっています。それは、ご依頼いただいた方々の幸せや、お店の繁栄を願う気持ちから生まれています。
私独自の感性を生かし、長い時間をかけて何度も何度も制作を繰り返し、納得いくまで作品を磨き上げています。
作品を購入された方から字からエネルギーが伝わってくる、感動したと言っていただけたり、ロゴなどをご依頼いただいたお客様から喜んでいただけることが私の励みになっています。
書の魂を表現する漢字や言葉には、神秘的な力が宿っています。
中国に「書為心画」という言葉があり,「書の作品は作者の心を映す、行い、性格、品性、心の品質の表れ作者の全てが書となって反映される」という意味です。
本来、書は精神の修養であり、書の精神性に感動が生まれ、書はその人そのものであると思っています。
だからこそ、常に自分自身を高め、人々の心に響く作品づくりを目指しています。
神様が私に書道を与えてくれたこと、私をいつも支えてくれている書道にとても感謝しています。
この贈り物を大切にし、私の様々な書活動を通じて、「書の可能性」を追求し、私らしい作品を創り続けることで多くの人々に感動を届けたいと願っています。
書家/書道家 書の部屋® 代表 小山瑞恵
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